“天空の廃虚”に入居希望殺到 昭和の荒れた木造団地リノベ 個人店が続々…観光地に【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年1月15日)

  • 2025.01.15
  • DIY
“天空の廃虚”に入居希望殺到 昭和の荒れた木造団地リノベ 個人店が続々…観光地に【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年1月15日)

 “天空の廃虚”とも呼ばれ、一時すべて空き家となった団地に今、入居希望者が殺到しています。今月末までが申込期限という物件の人気の訳を取材しました。

■重機が通れないため建て替え困難

 人気がなく、荒れ果てた空き家。壁も剥がれ落ち、人が住める状況ではありません。そんな廃虚に続々と人が集まってきました。一体、何が起きているのでしょうか。

東京から参加 50代
「横須賀の辺りで商売を始めようと思って」

東京から参加 20代
「セカンドハウス的な使い方のイメージ」

 海が一望できる神奈川県横須賀市の小高い丘の上。整然と並ぶ22棟の平屋住宅は旧市営住宅です。

 月見台住宅に向かう道は狭くカーブが続きます。最寄り駅から車でおよそ10分、「のの字橋」と呼ばれるループ状の坂道を登り切ると、そこには突如、異空間が広がります。

 昭和35年(1960年)に市営団地として建てられましたが、5年前に最後の入居者が退去し、空き家になっていました。道幅が狭く重機が通れないため建て替えもできず、近隣住民からは「でかい廃虚だなとずっと思ってた」「天空の廃虚」などの声が聞かれました。

 昭和の趣が残る、築64年の平屋の窓ガラスは割れ、壁は剥がれ落ちていました。

見学者
「(床が)抜けそうで怖い」

 しかし今、ある変化が起こっています。

■リノベし…昭和の団地を観光地化へ

 市と地元不動産業者が協力して空き家をリノベーションし、住宅兼店舗の賃貸物件として募集したところ希望者が殺到。先月の見学会には、およそ100人が訪れました。

東京から参加 40代
「男の秘密基地みたいな感じがワクワクする」
「何かトライしたい人にとって非常にうってつけの場所」

 去年の夏から募集を始めましたが、申し込みが殺到し、4割はすでに入居者が決まりました。

 一体、何にひかれるのでしょうか?

此処菓子店 渡辺三恵子さん(42)
「自分の手で内装とか(改修)できるのが魅力。家賃は都心に比べたら安い」

 渡辺さんは、オンラインで焼き菓子を販売しています。

渡辺さん
「そろそろ自分のお店を持ちたい」

 自分の店を持つことが夢でしたが、賃料が高騰し、二の足を踏んでいました。

渡辺さん
「横浜市内や神奈川県内を中心に物件を探し始めたが、最低でも家賃14~15万円とか20万・30万というのはザラ。お菓子の材料も値上がりした。月見台は家賃がお得なので、そこは抑えながら」

 家賃は月8万円。入居する物件は広さ40平米弱の2DKで、渡辺さんは古民家カフェも開きたいと眼を輝かせます。

渡辺さん
「独特な雰囲気で古民家ならではの雰囲気がいいと思います。(物件を)見ていたら月見台が出てきて、駅から坂はあるが家賃が抑えられて、わざわざ行きたい場所になるんじゃないかと思って。頑張りたいなと思います」

 住みながら店を持ちたいという人は渡辺さんだけではありません。古着店や私設図書館、ラーメン店を始めようとする人もいます。

 開発業者は共用部にドッグラン併設の広場やサウナ施設も設置して、昭和の団地を観光地化させたいと意気込みます。

エンジョイワークス 高才ゆきさん
「全部が空き家で、0からこの場所を一緒に作り上げていける。一つの街を作るというところに非常に魅力を感じている方が多い」

(「グッド!モーニング」2025年1月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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