【空き家問題(LBS)】0円で譲渡できる不動産サイト「みんなの0円物件」

【空き家問題(LBS)】0円で譲渡できる不動産サイト「みんなの0円物件」

全国的な課題となっている「空き家問題」。売れずに放置される物件を活用するためのマッチングサイトが、実績を上げています。空き家問題に活路を見いだした北海道旭川市の企業に密着しました。

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▼内容
北海道札幌市。住宅街の細い路地を進んでいくと、古い2階建ての一軒家がありました。築60年、14坪の土地に木造2階建てです。男性が高校生の時に暮らしていた家は父親が亡くなって空き家に。YouTube動画 10年以上が経っていました。

空き家を譲渡した梅本 稔さん:
「本来だったら解体すればいいんですけど、重機は入れない。不動産屋さんを何軒か当たったんですけど、手作業で解体しなくてはいけなくて。解体費用が相場より倍以上かかるので、どうしようかなあと思って。そのままにしていたら子どもの代まで残ってしまいますよね」

ところが、この家、なんと「0円」で譲渡することができたというのです。

◼︎不動産サイト「みんなの0円物件」

梅本さん:
「ほんと助かりましたよ」

譲り受けたのは市内の不動産会社。登記費用や改築費用などで100万円以上かかるものの、駅にも近く場所が良いので資料の保管などに活用できる、と話します。

「0円での譲渡」を実現させたのは、不動産サイト「みんなの0円物件」です。空き家を「あげたい人」と「欲しい人」をつなぎます。ただでもいいからもらってほしい物件、売れない不動産に困った人が不動産情報をこのサイトに掲載します。掲載料は無料。不動産を欲しい人と所有者が直接やり取りし、物件の現地調査から所有権の移転まで進めていきます。

サイトを立ち上げた0円都市開発の中村代表は、企業のコンサルタントもしています。

0円都市開発合同会社 中村 領代表:
「ほしい人が日本のどこかにいて、どう使うのかというと僕がとても思いもしないようなアイデアで『こうします』と」

取得希望者との交渉などを依頼者自身で全てできる場合、利用料は「ゼロ円」です。それらのサポートが必要な場合は「おまかせプラン」として16万5千円の費用がかかり、こちらを7割が利用しています。

◼︎現在の物件数は900件以上 掲載した8割の物件が譲渡成立

中村代表:
「不動産会社がする調査をしない代わりに、所有者と欲しい方双方で調べていただくを基本にしているので、売り上げが大きくなくてもかかる経費もそんなにありません」

掲載の依頼は全国から。年々増加し、現在の物件数は900件以上になりました。驚きはその成約率。サイトに掲載した8割の物件で譲渡成立しているのです。サイトに掲載したことで、処分したいことを近所の方が初めて知り、地元で譲渡になったケースも多いようです。

中村代表:
「不動産が流通しないということが地域の活力の減退につながっています。地方の実態は価格が付かないものが多数あります。それを目に見えるようにしたくて、0円にこだわっています」

◼︎負の不動産を有効活用するビジネス

日本経済新聞社 旭川市局 檀上 泰弘支局長:
「2024年4月に不動産登記法が改正され、相続登記の義務化が始まります。価値の低い物件が未登記のまま放置されて、所有者不明になるリスクを防ぐためです。負の不動産を有効活用するビジネスの可能性は大きいと思われます」

0円物件の半数は、形を変えて活用されています。地域のにぎわいを創出する人気のジューススタンドも0円物件です。改装費は400万円。順調に売り上げを伸ばし、数年で回収できそうです。残りの半数は賃貸物件になっています。

中村代表:
「適した譲り先をどう見つけるかが課題です。譲り受けたあと、有効活用に至らなければ、所有者は良いかもしれませんが、街にとっては良い結果にはなりません。もう少し精度を高めていきたいです」

全国の「空き家」の数は820万戸。空き家問題を抱える自治体と連携協定を結び、過疎化が進む街の課題を解決する一助になっています。

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