栃木・那須町の那須岳の斜面にある、国が指定する名勝「殺生石」。その昔、石が放つ“毒気”で多くの生き物が命を落としたことから、「生き物を殺す石」と名付けられたとの言い伝えもあります。この地で先週、あるショッキングな出来事が発生しました。
殺生石を管理する公園事務所の担当者に聞いてみると――
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「柵の向こうに黄色いところがありますけれど、あの周りに8頭イノシシの死がいがあるのを発見しました」
善養寺さんによると、イノシシ8頭の死がいを発見したのは、今月7日ということです。
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「普段はキツネとかタヌキが、多くても2~3頭」
一度に8頭もの死がいが発見されるのは珍しいといいます。
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「硫化水素は毒性高いので、動物は特に姿勢が低いですから、硫化水素、やや空気より重いので下にたまりやすいってことで、硫化水素を吸い込んでイノシシが死んでしまったのかなと」
実は、この殺生石は溶岩で、付近一帯では硫化水素などが噴出。善養寺さんによると、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったことが原因ではないかということです。
ガスの有毒性については、人間の場合は極端に近寄らなければ問題ないといいますが、「柵を越えて中に入ることはやめてほしい」と注意を呼びかけています。
(2022年12月13日放送「news every.」より)
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